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成果・資料

固定価格買取制度がもたらす非効率性: 日本の住宅用太陽光発電システム普及の分析

タイトル固定価格買取制度がもたらす非効率性: 日本の住宅用太陽光発電システム普及の分析
英語タイトル
著者名青島矢一:朝野賢司
キーワード経営学, 技術経営, 技術政策, Magicc, 政策のための科学, CO2削減
発行日2015/3/31
出版者一橋大学イノベーション研究センター
シリーズ番号WP#15-10
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シリーズ名IIR ワーキングペーパー
概要本論文の目的は、日本における固定価格買い取り制度(FIT: Feed-in Tariff)の導入が太陽光発電システムの普及と普及の効率性(経済性)に与えた影響を実証的に明らかにすることである。 地球温暖化問題への対応と東日本大震災による福島事故を受けて再生可能エネルギーの拡大が喫緊の課題となった日本では、世界各国の例にならって、2009年11月から家庭用太陽光発電向けに余剰買い取り制度(net-metering)が導入され、2012年7月からは全量固定価格買い取り制度が始まった。 FITは、本来、発電事業者に安定的な利潤を保障することによって、再生可能エネルギーへの民間投資を促すことを目的とした制度である。積極的な投資を通じて普及が進めば、量産効果によって製造や流通段階でのコストダウンが実現され、それがさらに普及を促進するという好循環が生まれる。コストダウンに合わせて買い取り価格も低下するため、結果的に、効率的かつ迅速な普及が期待できる。FITは、補助金やRPS(Renewable Portfolio Standard)など他の制度に比べて、こうした動態的な効率性を実現できるところに利点があるといわれてきた。 このような理論上の想定が、どの程度実際に実現されているのかを明らかにするために、本研究では、2009年11月から2014年3月までに日本で設置された約120万件の家庭用太陽光発電システム(<10kW)の仕様と価格データの分析を行った。 その結果、太陽光発電システムの普及は急速に進んでいる一方で、市場におけるシステム価格は、2014年3月時点においても40万円/kW程度と国際価格から大きく乖離していること、特に、モジュール以外の設置工事費やインバーターなどの付属機器の価格がほとんど低下していないことが明らかになった。モジュール価格は日本におけるFIT導入の有無にかかわらず国際市場では既に急落していたことからして、日本のFIT導入が太陽光発電システム普及の効率性に貢献したとは言いがたい。つまり、理論が想定するような動態的な効率性は実現できているとはいえない。 その理由として、買い取り価格の水準、設備認定の時期など制度設計上の問題が大きいことを議論すると同時に、国内市場が非競争的環境にある場合、FITはむしろ非効率性を助長する危険性があることを指摘する。また、発電所現場でのインタビュー調査をもとに、FITの導入が非効率性以外にも様々な問題を引き起こしている事実を紹介するとともに、適切な制度設計と運用上の指針を提示する。

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