基盤的研究・人材育成拠点紹介 Vol.1 政策研究大学院大学 科学技術イノベーション政策プログラム(GIST)

実践的な科学技術イノベーション政策(STI政策)のプロフェッショナルの育成を目指して

政策研究大学院大学(GRIPS)は、民主的統治を担う内外の指導者、政策プロフェッショナルの養成を目的として、1997年に設立された国立の大学院大学である。開学当初より科学技術イノベーション政策を人材養成の柱の一つとしており、2012年以降、SciREX事業の基盤的研究・人材育成拠点の総合拠点として、6大学5拠点(GRIPS、東京大学、一橋大学、大阪大学、京都大学、九州大学)間の連携協力をリードしつつ、科学技術イノベーション政策を専門とする我が国唯一の学位プログラムを含む多様な教育研究プログラムを実施している。

科学的なアプローチに基づく STI 政策のために

 本学の教育プログラムでは、プロフェッショナルとして客観的根拠(エビデンス)に基づきSTI政策の形成・実施を担う人材及び専門の研究人材を育成するため、①科学的なアプローチに基づく政策研究能力、及び②政策の企画、実行、評価、修正を行う能力という2種類の能力を身につけることができるカリキュラムを組んでいる。このため、海外からの招へい教員を含む一線級の教授陣を揃えるとともに、NISTEP、JST・CRDS、RIETIなどとも連携している。

国際的感覚と実践的マネジメント能力の養成

 学位プログラムのうち、博士課程プログラムは、現役行政官・実務者や研究職志望者を対象とし、1年間の集中的なコースワークと2年間の博士論文作成から構成される。修士課程は、主として現役行政官・実務者を対象とし、1年間のコースワークと半年間のポリシーペーパー(政策提言)の作成からなる。博士課程プログラムには内外の行政機関から派遣された現役実務家も入学しており、英語での講義を通じて、国際的感覚と実践的マネジメント能力を身につけることができる。学生の派遣元は、文部科学省、経済 産業省、厚生労働省等の中央省庁、JST、宇宙航空研究開発機構等の政策実施機関、さらにタイ、ベトナム、インドネシア、アメリカ、エジプト、台湾など多岐にわたっている。この他、現役行政官・実務者を対象とした短期研修も実施しており、近年では、大学・研究機関の研究力の分析と戦略立案能力向上を目的としたセミナーや民間企業の幹部と本学の留学生が交流するワークショップなども開催している。

 今後もこれらの取組を充実・発展させつつ、SciREX人材育成事業の総合拠点として、実践的な政策プロフェッショナルの育成に向けた取組を進めていくこととしている。

(文責:GIST事務局)

※次回以降も基盤的研究・人材育成拠点大学を紹介してまいります。